バード・ウォチングNo12 メイクボラはウキウキしっぱなし

H29.7.14

理事 村瀬

 明日はメイクボラ、折々に話題になり、皆さんの口に、表情に期待がうかがえる。当日、ご挨拶を兼ねて立ち会った。面白い時間だ。ずっとウキウキした軽い感覚が流れている。

  • 男性もマッサージだけでは終わらない時代だ

 前日からニコニコと期待が顔つきに出ているAさん。いつもタオルを頭からかぶって顔がうかがえないが、ともかく満面の笑顔で迎えたこの日、この時間。二の腕までマッサージ、末梢神経を刺激して血流がよくなり、気持ちがいいのだろう。その後、マニュキュアだ。十指すべて色違い、仕上がると両手を突き上げて満面の笑み。この表情は写真に撮らないでは済まされない。出会う職員に一度ならず両手を広げて見せている。

 Bさんは指先のマッサージ、洗浄して、オイルを塗り込みながら、終わるとタオルでしばらく包み込んで、指先までピッと伸ばして触ってみろ、という。男のごっつい指がなんか優しい。

  • 紅を指すと表情が変わり、態度が変わる

 さんは普段控えめな20代前半のお嬢さん、紅を指してもらい、唇を合わせ、すぼめ、いい感じを実感しているようだ。仲間のマニュキュアを見て、化粧だけでは納得しない。「どうする?」うなずいて、して欲しいと、「そうだよね」。

 Dさんは、ボラさんとのおしゃべりに、合いの手を入れて、入れて上機嫌さが伝わってくる。それを隣で聞いている50代のご婦人、笑って、笑って、また笑って。それがだんだん出来上がってくると口数が少なくなり自分の変身を意識し始める。大人の落ち着いた顔つきに代わっていく。

 Eさんは、眉毛をカットし、細見に整えると化粧顔になっていく。Fさんは「アイシャドー」「コーセー」とメーカー指定である。彼女の鯉のぼり絵、まつ毛がサラ~ッと長く惹きつける絵だ、目への執着は自分の化粧でも見られ、納得であった。

  • 見られる自分を意識して、大人の歩みへ

化粧は、あれこれ訴えて「見せる自分」から、少し装って「見られている自分」を経験することだ。いつもと違って、かわいい自分、大人びた自分として見られていることに、きっと誇らしさを感じているのだろう。折々の美容室でのカットとは異質の手厚いサービス、仲間とテーブルを囲んで和気あいあい、おゃべりを介しながら気負いのない解放感、気のおけない仲間と一緒という安心感もあって、満たされ方が違ってくるのだろう。そしてスキンシップをベースにした肯定的に見られての満足感はいいものなのだろう、これだけ笑顔が違うから。

  • 合言葉は「メイクは人を元気にする」

 一般社団法人メイクボランテイア M・B・Lの皆さんがネイル、マッサージ、化粧等専門をもって当たってくださる。東日本震災にも出かけてくださって、この言葉を生み出した由。ご縁があって、こんな和やかな変身と他に代えがたい笑みが止まらない時間を提供してくれた。

 福祉の現場は、地域の皆様、ショップのお客様、ボラさん、関係者、行政、家族、職員等々、顔の見える方だけでなく、社会に支えれれて、今の暮らしが成り立っている。今日のメイクボラも素敵な支えだ。感謝に尽きる。