バード・ウォチングNO43 新年会―カラオケ・夕食会を開きました

H31.1.28 理事 村瀬

 暮れから「新年会」の要望が出ていた。ガイヘル利用が定着した青年から繰り返し相談を受けた、夜やりたい、ビールを一緒に飲みたい、仲間も誘いたい、こんな内容である。年末のイルミネーション見学会の折も、ご家族から「こういう楽しみがあまりなかったから…」との感想をいただいた。やり繰りして期待に応えたいと思う。

  • 仲間を誘うことから

 GH休日利用の仲間、また交通機関による送迎の手立てが可能な方に声かけることに。夜だが3人の方の利用を得た。外部ヘルパーの都合も合い、5人でのカラオケ新年会となった。

 外部ヘルパーさんに「何でいつも来ないの?」と事業所職員とヘルパーとの違いに戸惑いを感じている風であった。ヘルパー経験を踏んでいただき、ご家族との顔つなぎもでき、独り立ちのヘルパー活動をお願いしていく段階になってきた。

  • カラオケで

 飲んで歌って、食べて歌って、また飲んで歌って…、たちまちの2時間。あらかじめ歌いたい曲を聴いていた導入は上手くいったものの、「あの歌…、え~と…」と、仮面ライダーもどれが歌い慣れた曲か分からず、見つからず残念。それにしても、カラオケボックスとは言い得て妙である。マイクを持ち、不明瞭でもメロディに合わせていい気分、立ち上がり、時に手振りがつき、手狭な5人部屋に響く音量、雰囲気を作るにはちょうど良いスピーカーボックス的な感じである。事業所でのカラオケ・タイムとは違う趣である。

  • こんな食事もいいではないか

 いつもと違い、仲間とワイワイしながら、枝豆とから揚げ、すかさず「ビールは?」と、選曲と注文とで、ついウッカリ、楽しみな生中を忘れてしまった。こうした外で仲間と一緒に飲みたい気持ちもよく分かる。グイグイと、そしてグイ~ッと満足感のある飲み方に映った。焼きそば、タコ焼き、焼き鳥、ナポリタン、ピザ、パフェの小分け、ドリンクの手配と食べて、飲んで、歌ってと場を仕切っていると、「これが食べたい」「お金、大丈夫?」「これも皆で分ける?」と自分の気持ち、仲間への思い、お金の心配やら気にかけながら折り合う場になっている。これは親と一緒では生まれない気遣いだ。ヘルパーが仕切るから生まれる社会性に思えた。

  • ガイヘルだからできること

  帰り支度が始まると「たい焼きくん、歌ってなかった」と思いの残る言葉が出たり、次の期待を抱いている様子。また帰りの電車では「居酒屋で…」とのこと、どうも折々に家族と出かけるお店に私を案内したい旨、「楽しい店があるから紹介するよ」といった感触である。大人の雰囲気を感じさせてもらった。参加したそれぞれがこうした雰囲気の中で2時間過ごしたのだから、仲間から注がれるものはお互い様にありがたいことである。

  ガイヘルは安全と楽しさの満足感を味わうことがテーマとなる。日中支援と違い、個々の希望に沿った好きなこと、関心があること、楽しみにしていることを材料に個別的な対応の中で展開される。そこで安全が確保され、楽しさを個別的確保でき満足感につながるのだろう。「またやりたい」との余韻が残る過ごしが一番である。この土壌が「僕の人生もまんざらでもない」と自己肯定感のある歩みの一歩になるのだろうから。