バード・ウォッチングNO.53 「バザーを通じて感じたこと」

R1.11.4 理事 村瀬

 《21°、晴れ間が広がる》との予想、天の応援の下に秋空のバザー、開催だ。
朝のひとひねり-秋晴れに誘いさそわれてバザーかな/さそわれてオレも行くかとサイフ持つ/青空にサイフゆるみお買いもの/買ったよ。おまけは?付いてくるのかな。

  • それぞれの出会いとして

 普段、折々の出会いはお母さんたちと、バザーにはお父さんたちの応援も結構得られる。職員も親御さんたちも名札をつけていただき、顔馴染みへのあいさつ、ちょっとした雑談、初顔合わせの新人職員は自己紹介のしやすさを生むきっかけづくりを演出している。私にとっても6人のお父さんと言葉を交わす時間をとることができた。間合いが取れず残念に思った方もいらしたが、次の機会にと心がけておきたい。

  • “一緒に”取り組むことから

 親の会、法人合同の実行委員会の下で進められる行事である。日ごろの母親ボラの手助けの下、法人がリサイクルショップを運営しているため、手慣れた商いの感じもするが、お祭りの彩を加えたバザーになっている。それにしても、お父さんたちの力と沢山のお母さんたちの総力戦で得難い行事になっている。
事前の準備、前日の下ごしらえ、当日朝一番の職員含めて男手でテント張り等の環境整備に始まり、手慣れた方から、さて、何から手をつけたら…の方まで、あっちこっちから飛んでくる声に応えて2時間、形が整ってきた。利用者出勤後は、一緒に売り子に立ったり、見学やら出し物やら掌握運営やら、ご家族、利用者、職員三者で持ち味を出し合いながらの一日であった。

  • 利用者のパフォーマンスもバザーの彩になって

 午後のお客様の足が落ち着くと利用者のパフォーマンスにご家族も特別出演、いつものお楽しみに特別な一味が加わって、一緒にやることの楽しさだ。細かな点で不首尾なことも有ったが、それ以上に和やかさが組み込まれることが大事なのだ。それが暮らしなのだと感じた。
 障害への特別ルールや身内や職員の子どもたちへの年齢配慮をしつつも、ゲームとして成り立つ枠組みは堅持することでシンプルなゲームの中にも共に暮らすベースが息づいていくのだろうと感じた。

  • 成績発表にとどまらず

 やっぱり気になること。小さなバザー、ほどほどの金額になり、うれしい事である。金額以上に“関係者が一体になって、一つ目標に向かって取り組むこと”の大事さを感じた。和やかな地域づくりに向けて感謝の一こまを演出できたことが何よりであった。ご家族にしても、職員にしてもなかなか思うに任せないことがあるのは当たり前のこと、隣り近所のことも、内々のことも互いに失礼をすることは人社会の常、でもこうした一緒の経験から互いの違いを違いとして感じ取り、また協力する土台が形づくられていくのだろうと思う。至らなさにお許しをいただきながら、チームを組んでゆこうと思えた秋晴れであった。

  • 片づけに入ると

 手元に残った商品は細々と袋に仕分けして歳末のリサイクルショップに、お母さんたちの大仕事だ。大物は車に積んで、またチームを組んで手運びで、男性の仕事だ。軽いものは手待ちの方々で事業所に片づけて…。暮れる前に片付けが済んでホッとする疲れである。最後に見渡すと、お借りしたスペースが前よりすがすがしくなっていた。お母さんたちの心遣いだ。事業所から50mほどのこの地は街づくりに伴う換地とのこと、今しばらくお借りできることを祈りながらである。

  • 振り返り、これからを思う

 かつて活動を担ってくださった方が応援に顔を見せて下さった。親の会30年、法人15年の歴史は世代交代の波が押し寄せている。先輩筋が頑張ってくださっている姿に加えて、若いご家族の力も見られる。親の力、大人の力、社会の波をかぶりながらも、踏ん張る土壌がある親の会の力を確信している。