バードウォチングNo63 新型コロナで利用制限中だからこそ 和やかな、新たな試みのエピソードが生まれました

R2.5.1 樽見 理沙 土屋 紗織

 

*気遣いが素直に出せる、気遣いをしたくなる、そんな関係なのでしょう。そこに含まれている彼のメッセージ、こんな風に受け止めてくれる人がいる中で日々が成り立っているのです。一安心です。

 

 担当が変わって打ち解け始めたころのこと、Aさんとの間で、嬉しいことがありました。15時までの勤務の私は、おやつタイムが始まるのと同時くらいに帰ることが多いのですが、その日はちょっとだけ遅くまで残っていて、皆さんがおやつ召し上がっている中、片付けものをしていました。さて帰ろう、と思ってAさんの席の後ろを通ると、Aさんが席を立って、私におせんべいをひとつ、差し出してくださいました。

「食べていいんですか??」

びっくりして聞くと、Aさんは口を開けるように無言で促してきました。私が口を開けると、まるで親鳥がヒナにごはんをあげるかのようにポイッとおせんべいを入れ、何事もなかったかのようにクールな表情でまた席につき、おやつの続きを召し上がっていました。

「お疲れ。たまにはおやつ食べていけば?」

そんなお気持ちでおやつをわけてくださったのだと思います。気だてが良いというかなんというか!私は思わずキュンとしてしまいました。あのときの「ばかうけごま揚しょうゆ味」、最高においしかったです。ごちそう様でした!(樽見

  

*送迎車内の密集リスクを下げる工夫として、GHからの歩き登所を試行しています。こんな時だからこそ、かねてからの運動量に配慮して暮らし方を健康志向に変えることにしてみました。

 

  • 「えっ?歩き?」

 緊急事態宣言が出てから一日の利用人数を減らすため、GH系の利用者と在宅系の利用者に分けることになりました。この機会に、ケアホーム利用の方は徒歩での登所を試すこととなりました。

朝のお迎えは職員3人で男性棟にお迎えに、一番最初に出てきたのはBさんでした。通常であれば、あおいとりの車両でのお迎えですが、職員だけしかいないという状況に、Bさんはドッキリにでもあったかのような表情で右に左に顔を動かして車両を探したり、普段クールなBさんからは想像もつかない「どうなっているの?」とドギマギした様子に彼の知らなかった一面をみたような気持になりました。

20分弱ですが、Bさんにとって歩いての登所はとっても良い運動になったかと思います。しかし道路を走る車や電車が苦手なことは承知していましたが、やはり緊張した表情で歩いていました。この地で暮らしていくのですから、いつかは乗り越えていかなければと思います。そこをどうアプローチしていくか、コースに馴染むこと、電車の線路位置を知ること、散歩エリアを広げていく心づもりでいます。(土屋)