バード・ウォッチングNO.60 ホワイトデーイベント ―贈る嬉しさ・貰う嬉しさ―

グループホーム青い鳥 所長 井上

  • おいしいラスクができました

バレンタインのお返しに今度は男性からの贈り物です。GH利用者は週末帰宅で13日(金)夕方にご自宅に帰ることを楽しみにしています。そこで、早めのホワイトデーの催しになりました。帰寮してほどなく16時半ごろ男性棟にお邪魔すると、包みの中に手作りラスクを入れ始めていたAさんがいました。メッセージカードに大きく「○○」と苗字を書きました。ちょっと型崩れした字形が「作ったよって、伝わるんじゃない!?」そんな職員の言葉に口元がほころびます。Bさんに至ってはラスクに不備がないかと一つ味見まで。贈る側に失礼が無いよう細心の味見です。“おいしい”とパクパク食べてしまうのではないのです。味見の形があって一つこんな気楽さが暮らしの中にあっていいなと感じる一コマでした。

 

  • Dさんにプレゼントする

普段DVDを自室で見ているCさんもそんなやり取りを見ており、お誘いすると手伝ってくれました。17時を過ぎ、女性棟のメンバーへプレゼントに行きます。行く直前、なんとなくためらったCさんも「Dさんにあげるんだよねぇ」で相手が確認されると表情まで柔らくなり靴を履き始めました。玄関口でDさんに遭遇するとニコニコが止まりません。照れながらプレゼントを差し出し、受け取ってもらいました。

 

  • Eさんのプレゼントだから…

 後半はEさんらがもう一方の女性棟にお邪魔しました。代表で貰ったFさんは口にはしないもののお気に入りのEさんからプレゼントされ照れてうつむき加減。他のメンバーも嬉しそうに体を揺らしていました。戻ろうかというところで携帯電話が鳴り聞いてみると、お風呂に入っていて渡してもらえなかったとGさんが残念がっているとのこと。それは失礼でしたということで戻ってお菓子を手渡しすることができました。Gさんからは「ありがとう」と笑顔でのお返事でした。

 

  • 家に持って帰る

 時間的にも規模的にも大きいイベントではありませんが、ただお菓子を作ったり、ただ渡したりするのではなく、その先に仲間がいることを意識できるような働きかけをしていきながら気持ちの交換ができることを大事に思っています。Gさんはいただいたお菓子をつぶれないよう大事に大事に家に持って帰ったそうです。