都から「能力差を工賃に反映させないように」との指摘をいただき、一律給で対応してきたが、働き方に着目して頑張りや努力をどう大事な生き方として伝えられるかを検討している。再度、都と相談をして、業務に携わる時間や業務内容の違いにより支払い方が変わってくることは当然とのアドバイスを受けた。
以下に職員向けの説明を紹介する。
1,工賃支払いにあたって次の点を大事にする
①障害の重い・軽いに拘わらず、個々の努力を見出して評価する
・例えば、チラシ配りでいつものコースでないと納得できないが、いつものコースに戻すことでしっかりできる
・室内作業で、周りの動きや間合いを取って報告をするようになる
・新たな仕事で「このくらい」と混ぜ具合を見せて伝えると「こう?」と確認してくる
・日課課題を増やす算段をして導入する中で「はじめます」に“ペコッ”お辞儀の挨拶をするようになった
こうした自分の課題と向き合う姿を努力と受け止めて「大事な生き方」として評価する。これらの変化が仕事に立ち向かう土壌につながると解釈している
➁一人ひとりの働きぶりを業務への貢献として評価する
・例えば、資源回収では、段ボール運びなど寒さ暑さを問わず力を合わせて取り組む姿が見られる
・また一人仕事の缶洗いや、力仕事の鉄板拭き等を次々とこなしていく姿がある
この仕事ぶりは業務への貢献であり、個々の頑張り具合に応えることで「頑張る生き方」として評価する
2,業務仕分けにあたって次の点を大事にする
① 障害が重くても「ぼくにもできる」仕事を用意する
・例えば、公園清掃では掃き掃除は中核的な仕事と評価する
ゴミ運びは周辺的な仕事と位置付ける
一緒に作業に出かける等は作業への協力とする
大枠で3段階くらいに業務を仕分けて、障害が重くても仕事をする機会を確保する
➁自分の力を出して「充実感を得られる」仕事を用意する
・例えば、適材適所で業務を上記3仕分けに振り分け、業務ごとに単価を決め、収入の目標が予測できるような仕組みにする
・また業務量への貢献具合に応じて頑張りを評価する
③収益の分配の仕方を工夫して頑張りや努力に応え、本人の育ちに活用する
3,何のために工賃支給の仕組みを変更するのか
・収益の分配を工夫し、小遣いとしていくら使えるかの実感を持てる収入にする
①個々の努力に着目し、仕事力だけではなく、小さな努力を工賃に反映させる
➁仕事は達成感や貢献感が伴うので適切に評価して工賃に反映する
こうした考え方の下に、具体的な業務内容や参加時間等から支払い方式を詰めて、それぞれの努力や頑張りを支えてゆきたい