NO79 バードウォチング 法人・親の会との協力テーマ

2022.10
理事 村瀬
 法人の母体である親の会とは、一体運営的で歩んできました。ところが約20年が経ち親の会は世代交代期に入っていますが円滑に進んでいません。そこで法人・親の会ミーティングを立ち上げて協力テーマは何になるのか、模索をしています。「次世代の人を育てる」ことが共通の課題であることは誰もがうなずけることですが・・・。

●協力テーマ:人を育てる視点について

 親なき後の暮らしは、制度的に整ってきたとはいえ、どのような暮らしぶりになるかは気になることです。この点は財政的な問題ではなく、どのような人柄の方と出会うかによる面が大きいと感じています。人から注がれるものにより暮らしぶりが左右されます。人を育てることの大事さが見え隠れします。
 これは、実践職員を抱える法人の中心的な課題でありつつも、親の会側も手をこまねいていいわけではありません。わが子の問題として親の会も力点を置かなければならない事柄になるでしょう。最低限の暮らしで由ではなく、〈人らしく楽しく豊かさのある暮らし〉を描いているはずです。そこに向けてお一人お一人に合わせられる柔軟性に富む感性豊かな人を育てることです。また関わる誰もが自ら育っていくことです。

●理想論も具体論も地道な実践も

 実際的に二次障害を抱えた方も多いため障害観を共有しながら、常識を超えた福祉的な人の幸せ観を描くことに努めたい。また「つまずいて目に入る段差かな」ですから失敗しながら了解していく道筋でよいわけで、互いに率直に話し合っての着実な一歩になることを期待しています。
 見方の違い、考え方の違いも当然のこととして一挙に距離を縮めることをせず、付き合いの中で寄り添えれば、次のステップが変わってくるものです。

●互いに障害のとらえ方を考えてゆく

 支援職は人間として何かを教える立場ではなく、むしろ障害を持つ方と共に暮らす感性や人生の意味を教えていただく側になります。理屈で整理して事足りる事柄でもなく、障害に伴う生きづらさをどう受け止め、どう関わるかを誠実に接しながら感じ取っていくことになるのでしょう。
 法人側からすると個別支援計画・全体像をより掘り下げる努力が求められていると感じています。相手の方がどんな人かを共通認識する、課題の背景を知り、どこに力点を置いて支えるのがよいか、目標を共有する方向で話し合う。
 この話し合う過程が人を育てる過程と重なってくるのでしょう。実践しながら考える、共感されながら別の視点を指摘される、感謝されながら親や年長者の立場で背中を押してもらう、また異論を出されながら勇気づけられ等、オープンクエッションの中で見いだせるものが生まれてくることを期待しています。