2024.9.30
顧問 村瀬
「支援の枠組み②」になります。①では、1)社会的な存在、2)生活支援の狙い、3)知的障害の生きづらさ、そして4)生きづらさの受け止め方に触れました。
②では、知的障害の生きづらさに即してどう生活支援を進めるか、現場の実践的な視点や知恵に類することがらを整理してみました。
5、生活支援の要素
- 利用者とつながろうとする意志、それを可能とする技術と経験がいる
- 利用者の気持ちを読み取れなくても読み取ろうとする意志にゆえに二人の間にコミュニケーションが生まれる
- 利用者の「小さな願い」は本人の快適さ関わるもの―気持ちを読めることがダイレクトに利用者を肯定することになる。その一方で、相手にされなかったり無視されたり、修正を余儀なくされたり、取り上げられずくすぶることも間々あるものと言える
- 支援者と利用者の双方がコミュニケーションをとろうとする意志によって支援が開かれる
*利用者にとってキーパーソンと位置付けられる関係になっているか
私の暮らしにとって意味のある人になっているか
関心を注ぐ実践が関係を深める土壌になって行くことを知る。ここから循環が始まるともいえる
6,生活支援の独自の視点
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障害から自己客観視が弱く、自己本位の行動になりがち。この点を承知して行動に振り回されないこと、心情に着目する
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行動は心情の表れである、行動を通して何を言いたいのかを洞察する
分からないことからの不安、緊張であったり、不快さから拒否になったり、押し付けに対する反発の誘発を招いたり、混乱によるパニック等の表現であったりする
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(―)行動のきっかけを解釈する
- 今、ここに要因がある場合は心情を解釈しやすい
- 遠因―今、ここではなく以前の出来事を根にして、別のきっかけで誘発されること
- さらに、成育を過程の過欲求的による全体像の偏りなどの視点も行動傾向の根源として洞察する視点を持つ
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(-)面を承知して、(+)面に力点を置く
- (-)面は「その人の今」として受けとめ、できるだけ不具合につながらない配慮に徹する
- (+)面に着目することは、本人の持ち味、得手に焦点を当てることになり、安心して臨め、手応えも得やすい領域である。さらに(+)面がクローズアップされることで相対的に(-)面が目立たなくなり、つき合いやすさが生まれる
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特に青壮年期の狙いどころ
- 教育年齢、また教育機関でもないため教育課題、学習課題の色彩は薄れていくことは当然のことであり、より穏やかさへの歩みになるといえる
- 生活支援から見ると「暮らしやすさ」に向けての支えを第1とするため、「穏やかさ」を大事にすることに異存はなく、ここに向けての対応を模索する
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「問題行動」という捉え方はせず、自己表現として捉えることを原則とする
- 心情への着目から本当の気持ちを洞察する立場から生まれる視点である。本人が意識する、しないに拘わらず、全体像の把握から生まれる解釈であり、一つの仮説として整理する
- 現実行動への対処として行動の不適切さがエスカレートしない配慮のもとに自己表現として受け入れるアプローチの工夫をする。受け入れる、許容する、やり過ごすこと、また耐えることも一つである。ともかくも不適切さの上塗りを避けることである
7,穏やかさへの模索の視点
- 現象に一喜一憂しない、長い目で、大きな目で見守る
- 一回ごとに是非をきちんと伝えるなど勝負をかけない、そういう時もあるのだから
- 誰も凸凹はあるものだから細かくなり過ぎない、鷹揚さを大事にする
- やり過ごすことも一つの手立て、生きづらさの上塗りをしないことを優先する
- 思惑通りにいかないことも多い現実を承知する。うまくいかないことを糧に次の試行に活かす
- 長期戦で臨む
*こうした点を踏まえて、その場では和やかにをやり過ごしていくことを優先する。モニタリングでは課題点、(-)点も含めて全体像から議論し、支援の手の入れ方を議論する
8、実践上の配慮の視点
- (+)に着目することで、(―)面は、相対的に影が薄くなり、承知をしておくことで日常は穏やかに送れるようになる
- 一方で、その人の課題は表に出ることも多く、考えさせられる場面に出会う
- 責められない安心感が立ち直る力、元気になる力になる
- 利用者からの批難的言動に耐えること、ジャッジしないこと、アドバイスしないこと、傾聴する姿勢を貫くこと
- 理屈で説明しないこと、とりあえず謝ること、やり過ごすことも大事な関わりになる
- 今「ある」姿を受け入れることが、次の姿に「なる」エネルギーと知る
- 思い出を語れる楽しい暮らしを提供する
*支援の枠組み、実践的な視点や知恵に焦点を当てた分、箇条書き的になりました。支援は実践の次元の事柄ですから、一つの参考にしながら「この人」との関わりの中で深める努力をしてゆきたいと思います。