*エピソード担当の土屋主任は、この時期に都社協機関紙「かがやき」から青い鳥の基本姿勢の原稿を求められました。
日野青い鳥福祉会
あおいとり日野主任 土屋 紗織
「利用者を支える根っことして」
あおいとり日野は、東京・日野市で生活介護を運営しています。生活支援のミッションを「穏やかさ」においています。手がかからない、困らないではなく、生活の張りを持って暮らすイメージです。
あおいとりの力点は、<エピソード運動>にあります。利用者の心情の流れや仲間関係などを下地にして “こんなことがあった” と具体的なやり取りの振り返りです。利用者の歩みと私たちの関わりで生みだす暮らしの姿は、凸凹があり紆余曲折を経たその人の地である全体像として捉えています。
ある日の出来事です。自閉症のAさん、GHから登所してくる道中でストップ、GH職員から「動けないので迎えに来てほしい」との連絡がありました。歩道にゴロンと寝転がり、私の方を見てくれました。「Aさん、おはようございます!お迎えに来たよ!」と横に座ると程なく立ちあがってくれました。気持ちを切り替える時に応援がほしい、そんなときに思い浮かべる存在となっていること、Aさんと私との関係性を感じられる出来事でした。
行動に着目すると、本人の問題と解釈しがちで関係は深まりにくくなるものです。一方で、具体的な心情をすくい上げることは、利用者の思いに気づくきっかけを生みます。すると生き辛さの土壌に戸惑いながらも「そういうことか」と共感的なつながりに立てます。こうした機縁が持てれば「私は、私でいい…」との自己肯定感につながり、「穏やかさ」の下地になってゆくと考えています。
その上で、あおいとりでは “あいうえおの実践” に取り組んでいます。
- あ-あいさつ 気持ちの良い出会いと別れ、次の出会いへのエネルギーが生まれる
- い-いたわり 気持ちを支え、立ち直りのきっかけを作る
- う-うなずき 否定されないことで、ありのままでいられる関係
- え-えがお 喜びを共有し、安心感を注ぐ
- お-おうえん 勇気づけられ持ち味を発揮する節目になる
常識的な事柄ですが、生身の関係が基盤になって心が揺さぶられ、人柄が作られます。自分の思いもあるけれど、「あいうえお」で支えられた実感があって相手を気遣い、折り合える等、心根が引き出されていく関わりでありたいと考えています。私たち支援者にとっても皆さんとの出会いで心が豊かになります。これからもこの根っこを大事に支援に携わりたいと思います。