笠原 駒子
☆早産後の母体を労わっていただき
産後の処置がようやく終わると、びっくりするような甲斐甲斐しさでストレッチャーに乗せられて、MFICUに戻りました。自分では「私、歩ける気がするけどなぁ」と思っていましたが、
「出血がかなり多かったので、少し動いただけでかなりクラっとするかもしれません。変だと思ったらすぐに言ってください」
と言われました。トイレにも行かないように言われ、産後の最初の排尿は、ベッドの上で、でした。産後って、尿意を全く感じなくなるのですね。身体って、不思議です。なかなか尿が出ず、もう少したっても出なかったら導尿カテーテルを入れます、と言われ、それは嫌!と思って、全く尿意はなかったのですが、必死でいきんだら出て、ほっとしました。
☆早産の痛さとお腹にいない不安と
後陣痛のつらさも知りました。後陣痛と会陰切開の傷が、処方された鎮痛剤を飲んでも痛くて痛くて、疲れているはずなのに痛みで全く眠れず、出産って大変なことだなぁ…と、しみじみ思いながら耐えていました。また、昨日までお腹のなかにいた赤ちゃんが、今はもうお腹の中にいないことがとても寂しく、正期産までお腹の中にいさせてあげられなかったことが申し訳なく、早く産んでしまったせいで赤ちゃんに何かあったらどうしよう、と、一人でメソメソしていました。
☆息子は小さい身体でがんばって
翌日、状態が落ちつき、ようやく、息子に会いに、NICUに行くことができました。息子は、保育器の中で眠っていました。小さいなぁ…と思いました。腕が、私の親指ほどの太さしかなく、両手のひらに乗りそうな大きさ…。いろいろなコード、管(自力でミルクを飲むことができないので、口から胃まで、しばらくの間、管が入っていました)が息子の小さい小さい身体に付いていました。
「ときどき呼吸を忘れてしまうことがありますが、元気ですよ」と説明を受けました。
☆白目の息子・・・ ⁉
初めてまじまじと見た息子は、盛大な白目で眠っていました。
「あの、赤ちゃんがものすごく白目なのですが、大丈夫ですか」
と、心底からの心配で看護師さんに聞いた「新米お母さん」の私のことを、とてもなつかしく、思い出します(息子は、いまでもよく、盛大な白目で眠っています)。
★早産でとりあえず役目を終えて、母体のコンディションの維持に焦点が移り始め、お腹にいないことの淋しさも感じながら・・・。
「時々、呼吸を忘れる」という小さな新生児に妙なおかし味を感じつつ、白目で眠る姿に保育器でゆっくりしているような…、一日ごとにグイグイと節目が変わるような育ちの時間なのでしょうね。
産婦人科医の話、〈不安を抱える患者さんと向き合うには知識と技術だけでなく、強い生命力が必要〉とのこと。専門医も人間力があってのことと。