笠原 駒子
「でこぼこみち」は連載⑭号になります。「 “わたし” の歩み」との交互連載ですから⑬号を思い出しながらお読みいただき、ご一緒に子育ての思い、障害の生きづらさ、周りとの関係等を考える機会にしていただけたら幸いです。
⑬号では1歳半の節目「人見知り」がなく…、いろいろな心配の中にいる状況でした。少し飛んで、いま14歳になって学校に馴染めず、不登校への気持ちの整理もまだおぼつかないままに、いわば刺のような痛さや不安に折々出会っている感触なのかと・・・。 ご一読ください。
私は、小さいころから、とても鮮明な夢をよく見ます。あまりにも鮮明で、色も感覚も味も痛みもあるので、時々、記憶の中にある出来事が、過去だったのか夢だったのかわからなくなることさえあるくらいです。親子というのは変なところが似るもので、息子も私と同じく、とても鮮明な夢を見るタイプのようです。私と息子は、お互いの見た夢について話すのがけっこう好きで、印象に残る夢を見たときには、お互いにそれを話すことがあります。
先日、息子が見た夢の話をしてくれました。
3列にずらっと並んだ人たち。
普段着を着た、見た目はごくふつうの人たちだ。
彼らは皆、手に、大きめのカセットコンロを持っている。
前列から順に、カセットコンロに点火し、
「ファイヤー」 と言って火のついたカセットコンロを放り投げる。
順番にどんどん投げる。あたり一面、あっという間に火の海になる。
俺は、なすすべもなく、ただ見ていることしかできなかった。
「そうして地球は滅亡しました」と、 息子はちょっと途方にくれたような顔で、夢の話を〆ました。
「怖かったの? その夢」と聞くと、 「怖かった」と。
「夢でよかったね」 「うん、夢でよかった」
「でもちょっとおもしろいね、なんでカセットコンロ? その人たちはいったい何者?」
「知らん。で、今日の朝ごはんは?」
いつもと同じ朝(いつもと同じ朝、でもないですが。息子は起きるのが苦手なので、私が出勤する時間までに起きてくることは稀です。学校に行かなくても起きる時間と寝る時間はきちんとしよう、と話していて、少しずつ早めに起きられる朝が増えてきました。朝食も、食べたらお腹が痛くなりそうと食べられないことが多かったのですが、最近はほぼ毎日食べられています)を過ごしながら、
こういう夢を見る息子は、心にどれだけの不安や恐怖を抱えているのだろう。
と、私は考えていました。
★他愛もないSF的な夢と受け流すには、いささか結末がきつい。思春期に入り、思うに任せない日常の暮らし、さらに不登校の現実から「不安と恐怖」のもどかしい心情がこの夢を突き動かしている、と解釈するにしても…。受け止めようがない彼なのであろう。
Kiroro未来へ「♪足元を見てごらん/これがあなたの歩む道」と。生きづらさを受け入れる勇気は…、悩む。 さて、「満足できる朝ごはん」を、と願う。