バードウォッチングNo.98 「エピソードを生み出す努力」

日野青い鳥福祉会2024.2.6 ☆苦しい胸の内 独白:“やる気と優しさがあれば福祉の仕事もできるだろうと思って入ってみた。ところがどうも、エピソードに取り組んでいると、考えても焦ってしまい、時間ばかりかかっている感じで・・・、うまくいかない・・・、…

バードウォチング No97 生活支援を振り返る

日野青い鳥福祉会理事 村瀬 知的障害があっても児童期、学齢期と歩みにつれて「できる」「分かる」ことが増えていき、自分のことができたり周りのことが分かってきたり、能力的な力の喜びを感じる頃合いを経ていく。年齢と共に遅れながらも生活圏が広がって…

バードウォッチングNo.96

日野青い鳥福祉会理事 村瀬 法人のエピソード24集が発行されました。44名の日頃の暮らしぶりが語られています。リード文をご紹介します。 ☆エピソードは全体像 多方向に渡るエピソードが語られる方、独自の領域に繰り返し焦点を当てている方、それぞれで良い…

バードウォッチングNo.95 青い鳥の生活支援の思い-生活支援の原則②

2023.10.6理事 村瀬 自己肯定感を大事にする 生活支援の目的は「できないこと、分からないことがいっぱいあるけど、私のことを大事にしてくれる人がいるから自分のことが好き」との気持ちを高めることです。この自分のことが好きという感覚が自己肯定感です。…

バードウォッチングNo.94 青い鳥の生活支援の思い-生活支援の原則①

2023.9.19理事 村瀬 人と人との関係で支える 生身の生活者として、地域社会で暮らしていれば、スムースなこともぶつかってしまうことも日常的に生じます。そこで、身の回りのことも仲間関係もできないことは気持ちよく応援する、できることは自分のこととし…

バードウォッチングNo.93 青い鳥の生活支援への思い-知的障害の生きづらさ

2023.9.11日野青い鳥福祉会理事 村瀬 常識が行き交う社会で生きること 障害者に対する社会の見方は、いつの間にかその人の力のちょっと上を求めてしまう傾向になりがちです。社会は甘くないと常識的な生活を求められることが多く、また折り合いどころを弁え…

バードウォッチングNo.92 エピソードの捉え方

2023.8.22日野青い鳥福祉会理事 村瀬 はじめに だいぶ前の歌ですが、あるTV主題歌として使われていることを知り、懐かしく聞き返しました。「♪君と逢ったその日からなんとなくなんとなくしあわせ♪」その昔、スパイーダース・井上順さんが歌った馴染みの曲で…

バードウォチングNo.91 エピソードは生活支援の「目に見える成果」

2023.6.29日野青い鳥福祉会理事 村瀬 生活支援の原則的な目標として「円満な人柄」に向けて共に努力することが挙げられる。生活支援は人間関係で成り立つものであり、なかでも「人柄」は周りから注ぎ込まれて形つくられると捉えるから“共に努力する”意味があ…

バードウォチング No.90 青い鳥の目標

2023.5理事 村瀬 岩崎夏海氏2009の「もしドラ」として流行った「・・・マネジメントを読んだら」を再読した。面白かった。かつてお世話になった世田谷樫の木会・鈴木元理事長がドラッカーに原点を持った組織論を語っていたことを改めて思い出した。触発され…

バードウォッチングNO.89 「私にとってのエピソード」③

2023.5日野青い鳥福祉会 「私にとってのエピソード」第3弾は「明日の力」である。エピソードは今を大事にする視点です。同時に明日の生きる力を育んでいる今です。それは利用者の、職員の、法人の明日でもあります。 さて法人の目標の一つに職員満足があり…

バードウォッチングNO88 「私にとってのエピソード」②

2023.5日野青い鳥福祉会 「私にとってのエピソード」の第2弾は「新たな自分を見出す」である。〈利用者の発見〉から〈自分の発見〉に視点が動いています。 <点から線に、そして全体像に> 土屋エピソードに引用されていた谷水理事長のコメントを抜き出して…

バードウォッチングNO87 「私にとってのエピソード」①

2023.4日野青い鳥福祉会 4月家族会は「私にとってのエピソード」と題して各職員が今の受け止め方をまとめることにした。21本のレポートが出てきた。いくつかを紹介することで青い鳥の支援土壌を紹介する。第1弾は「発見、向き合う」である。 田極 泰平 「新…

バードウォッチングNo.86 「エピソードの担うもの」

2023.4.21 理事 村瀬 1,生活支援は生きづらさを支える ① 人生の歩みを支える 成人期の生活支援は、思春期から老齢期にかけてじっくり関わることで着実に変容する時間をいただいています。 この間、障害を持ちながらも楽しい生き様や努力する姿を支えるとと…

バードウォッチングNO85 青い鳥の生活支援の基本姿勢

2023.4.8理事 村瀬 1、 青い鳥の生活支援の方針 私たちの生活支援の原則は、「いまある姿を受け入れることで、次の姿になるエネルギーが生まれる」と捉えています。そこで関わりの基本を受容に置きます。実践的には一人ひとりに関心を持ち、かつ持ち味に着目…

バードウォッチング No.84 生活支援とエピソードの関連

2023.4.3 理事 村瀬 私たちの「生活支援」はいくつかの要素が絡み合って成り立ち、支援の質をより良いものにする力が働きます。生活支援のあり方を振り返ってみます。以下の循環を実感できているでしょうか。 こうした各要素がリンクしつつ循環していること…

バードウォチングNO83 生活支援におけるエピソードの位置づけ

2023.3.26理事 村瀬 青い鳥では、利用者エピソードのまとめを継続しています。エピソードは生活支援のいわば「目に見える成果」として、「こんな暮らしを提供しています」と関係者にお伝えしているものです。改めて「エピソード」の位置づけを考えてみました…

バードウォチングNO82 親なき後GH・あんずの暮らしぶり

2023.2.13理事 村瀬 GHあんずで7名の方が暮らしている。日々の暮らしをご紹介することで、先々の暮らしぶりのイメージを描く機会として、また職員としての励みとしたい。 ●二つのグループ あんずの朝は早い。6時過ぎに朝食の4人、なんとか朝食の場に顔を…

バードウォチングNO81 作品化を素材に連携する

2023.2.13理事 村瀬 法人運営のあり方を模索してきた。NO79号でも取り上げたが、特に親の会との連携が必須と考えている。親子の絆は人の歩みの土壌だから「利用者の豊かな暮らしの実現」に欠かせない相方である。 昨年の日野市・生活介護事業所「はくちょう…

バードウォチング No.80 法人・親の会ミーティングを開きました

2022.12.1 理事 村瀬 法人の成立母体である手をつなぐ親の会の世代交代期を踏まえてどう連携を進めるか、試行錯誤を踏んできた数年です。 法人・親の会ミーティング 当初、法人の運営会議に親の会代表が参加する形でしたが、組織運営の諸課題の協議であり馴…

NO79 バードウォチング 法人・親の会との協力テーマ

2022.10理事 村瀬 法人の母体である親の会とは、一体運営的で歩んできました。ところが約20年が経ち親の会は世代交代期に入っていますが円滑に進んでいません。そこで法人・親の会ミーティングを立ち上げて協力テーマは何になるのか、模索をしています。「次…

エピソードの社会的な価値

2022.9.16所長代理 村瀬 「どうすれば福祉のプロになれるか」(久田則夫)、20年前の本だがご指摘にうなづかされた。 1、「利用者に学ぶ」精神の基盤 差別の中で無力化されてきた米・黒人の公民権運動を端に派生したエンパワメント思想が、実業界の「顧客満…

バードウォチングNo77 私にとってのエピソード

2022.6.23 木上千沙都 主任 土屋紗織 6月家族会に19集目のエピソード集をまとめました。今回はいつの間にか人と人が付き合うことを視点にしたエピソードが多く、生活介護の力点として興味深く感じました。まずは職員の感想からご紹介いたします。 心揺さぶ…

バードウォッチング NO76 「生きづらさを吐露されて」

愛の手帳4度、50代の女性の利用者の支援である。GH生活の中で仲間とのトラブルがあり、担当者、主任との個別の中で改めて生きづらさが語られた。普段、和やかだが家族が既に逝かれて寂しさもあり折々に自己否定感が出てしまう。私たち生活支援の課題として…

バードウォチングNo.75 工賃支払いの工夫―頑張りに応える

都から「能力差を工賃に反映させないように」との指摘をいただき、一律給で対応してきたが、働き方に着目して頑張りや努力をどう大事な生き方として伝えられるかを検討している。再度、都と相談をして、業務に携わる時間や業務内容の違いにより支払い方が変…

No.74 コロナ・クラスターに遭遇して

①オミクロン株・感染の波 大変な事態になった。オミクロン株拡散の波をもろに受け、この間に3部署で4回陽性者が出て、3回は閉所とした。自宅待機・隔離がすぐできない方7名はGH待機としたが、結局クラスター(5名)になり、感染を防ぎきれなかった。 同日、…

福祉の心を伝えるエピソード

1,基本的な障害の捉え方 ・障害は社会環境との関係の中に生きづらさが生まれる、との社会モデルで捉えています 2,青い鳥の歩み ・青い鳥のEさん、Tさん等の第一世代のご家族の方たちは、基本的人権がどのように具体的に施策に反映されるか、の点で社会運…

バードウォッチングNo.72  「GHの暮らし―朝の動きはこうだよ―」

R3/7/27 グループホーム青い鳥 所長 井上 生活介護を利用している方々のGH―管理者として毎日顔を出しているものの、細かな個々の生活のすすめ方は現場に託しています。ところが、急遽朝番のヘルプに入らなくてはならず、さくらに行った時のことです。 入室早…

バードウォッチングNo.71「壁にぶつかって」

R3/5/12 グループホーム青い鳥 所長 井上 4月はいろいろなことが変化する季節。シフトや場所や職員が変わるのは利用者さんにとってはとても大きいこと。利用者さんの中にはいつもと違う状況でなんだか落ち着かなかったり、鬱屈するような心情に支配されたり…

バードウォッチングNo.70 GHのクリスマス会への思い

R2/12/22 グループホーム青い鳥 所長 井上 年末年始は節目の行事で、日中活動も含め楽しみが目白押しの季節。クリスマス会や正月はGHのメンバーに限らず年中行事の中でも、とても楽しみにしている事柄です。正月もクリスマスもどちらも少し宗教色をはらんで…

バードウォチング No69 エピソードをまとめて

R2.11.26 あおいとり日野 主任 土屋 紗織 年5回の家族会、その折に日々の出会いをエピソード集としてまとめてきました。特に今年度はコロナ禍で皆さんが集まれず、エピソードを通してご家族の皆さんに安心感を得ていただきました。現場を担う立場からエピソ…