日野青い鳥福祉会
2024.2.6
☆苦しい胸の内
独白:“やる気と優しさがあれば福祉の仕事もできるだろうと思って入ってみた。ところがどうも、エピソードに取り組んでいると、考えても焦ってしまい、時間ばかりかかっている感じで・・・、うまくいかない・・・、なぜ・・・”
こんな苦しい胸の内を聞かせていただいた。しかし、私には頼もしい悩みに聞こえました.真面目に、正面から、エピソードに取り組む姿勢を垣間見た感触でした。こうした向き合い方を続けてくださったら、場数を踏んで着実に関わりの感性が鍛えられるはずだと思ったのです。
☆現場が引っ張ってくれる
現場は、日々利用者と出会っています。活動を介してゆっくりした過ごしを共に、食事やら満足の間合いを一緒に、ヨ~シと頑張りも支えながら、またイヤだなと感じることも笑いながら・・・、そんな姿が目の前に流れているのです。どの場面も「あいうえおの実践」の場面です。あいさつ、いたわり、うなずき、えがお、おうえん-これらの関わりは私の感性に根ざして私の身体を介して相手に伝えていくものです。
☆感性は鍛えられる
そして「よく見ればなずな花咲く垣根かな」(芭蕉)であり、「よく見れば」見え方が変わってくるというのです。「よく見れば」、この姿勢は私の感性が反映するのです。一歩踏み込んで見る、一言加えてみる、一呼吸おく、一度表情を緩める、ひと加減張りを変える、こんな関りの硬軟・緩急につながってゆくのでしょう。おおもとの相手に関心を持つことを軸に自然と身についてくることですから。長期戦を承知して、安心して見守っています。
☆5分のきざし
別件で、なかなかうまくかみ合わないかの様に感じている報告に触れました。でも、一つのつながりが生まれてきた由。食後に二人して一緒に歌うのだそうです。1日の持ち時間のうち、わずか5分かも知れませんが楽しみなきざしを見出した5分なのだと感じました。
普通に暮らしを支えている一日です。当然、スケジュールがあり、家庭よりも計画的な過しですが課題、課題の窮屈な暮らしではありません。より自由な過ごしを、和やかに過ごすことでこそ穏やかな人柄が定着してくるのであろうと期待をしています。
何はともあれ、楽しみを共有する関係になっているのですから、これからです。
☆私の姿勢が問われている
暮らしの中の触れ合いは、思わぬ事態も含めて日常ですから私と利用者たちとは刺激しあっている関係です。面白い、すごい、いいなぁと肯定的にみる関係であればプラスに作用するものですから、この受容的な感性を持つ努力が欠かせないようです。
気になることを見詰めてもどう応援したらよいか分からずに、行動指示に陥りがちです。一方で、現実の良いところを選りすぐって見出せば、私たちも楽に出会えるというものです。繰り返しますが、楽しさが一番の行動原理です。