バードウォチング No97 生活支援を振り返る

日野青い鳥福祉会
理事 村瀬

 知的障害があっても児童期、学齢期と歩みにつれて「できる」「分かる」ことが増えていき、自分のことができたり周りのことが分かってきたり、能力的な力の喜びを感じる頃合いを経ていく。年齢と共に遅れながらも生活圏が広がって一人前になっていく様子で嬉しさを共有できます。
 そして、仕事で、家事で役に立ったり、なんとなく大人になってくるような感じも味わいます。
 しかし、いつの間にか普通を求めて、常識をモノサシに、求めれば頑張る素直さから知らず知らずのうちに「もう、ちょっと」「もう、ちょっと」とハードルが上がり、本人は生きづらくなり歪みが出始めても気づかない周りがいる。そんな関係が思い浮かんできます。

*生活支援の原則は

 さて、気づかないだけに進行しがちな歪みに、なんとか歯止めをかけるための手立てが原則の確認です。エピソードを通じて、少しずつ整理されてきたことを簡潔にまとめてみます。
①    生活支援の目的は、穏やかな日々を得ること、穏やかな人柄を得ることになります。
②    「人のために役立つことが幸せ」という人間観に立ち、些細なことで「ありがとう」と言われる関係は何物にも代えがたいものです。障害があってもこうした関係はいっぱい生まれるものです。
③    知的障害者は感性的な存在ですから自分の気持ちを大事にされることで、相手を好きになります。好きな人に寄り添える日々は穏やかな過ごしを確保しやすくなるものです。
④    さらに穏やかさは日々の出会い方に左右されるものです。日常的にどう見られているかにより気持ちのあり方が変わってきます。不安も安心も関係によって影響されるものです。
⑤    だからこそ、相手の行動に着目するとその人の問題と見えてしまい、指摘しがちになります。気持に着目すると私との関係と見ることができるから、私との関わりの工夫が生まれます。
「行動に振り回されるな」と基本の出会い方が問われていることも承知してゆきたいものです。