2022.12.1
理事 村瀬
法人の成立母体である手をつなぐ親の会の世代交代期を踏まえてどう連携を進めるか、試行錯誤を踏んできた数年です。
法人・親の会ミーティング
当初、法人の運営会議に親の会代表が参加する形でしたが、組織運営の諸課題の協議であり馴染みにくいように感じられた。そこで「法人・親の会ミーティング」を設け、双方の代表で身近な問題を話し合う思惑でした。が、双方ともに法人理解への説明に終始する隘路にはまってしまいました。親の会役員の改選やコロナ禍で停滞しましたが、ようやく動き出したところです。
親の会9名、法人4名でお茶を飲みながらざっくばらんな会合をと描いておりましたが、出来合いの茶菓子にしたため持ち帰りになり演出はもう一つでした。とはいえ1時間半余であれこれ意見交換ができました。法人への要望を聞く会とは位置付けず、互いの思い、気になること、知りたいこと等を率直に言葉にする時間にとの思いで臨みました。
親に何かあったときの対応は、
制度は整っていると聞かされても、どんな制度なのか不安に思う気持ちはよく分かるところです。実際、今年度に急な事故で親が亡くなり一人になってしまった利用者が2名出ました。
いずれも第一報が法人に入り、行政、相談事業者と連携を取り、ともかくもその日からの過ごしを法人SSに置き、日常生活を確保したうえで、関係者で善後策を協議しました。お一人は後遺症が残り医療体制が必要との判断が優先し、3か月ほど要しましたが日帰り訪問ができる入所施設に落ち着きました。地域で暮らすことを願う親の会の思いに何とか沿うものになりました。
もう一人はやはり法人SSでしのぎながら市内のGH利用ができ、日中は今まで通り青い鳥を継続利用できることになりました。
こうした身近な実例に触れても、それでも心配なものです。何かあった時には普段から出会いのある法人に、また地域生活をコーディネイトする相談支援事業者に頼っていただくことでよいことを確認しました。
基本は身近な人間関係で、制度活用は福祉機関との連携で
要は、制度のあることは上手に制度を活用する。逆に制度が不確かな事柄は身近な人に積極的に相談することになる。なんでも行政依存や他者頼みではうまくいかないものですが、お互いさまが機能する人付き合いをしてゆきたいものと生き方に触れられました。
法人と親の会の関係の有り様としてざっくばらんな意見の共有ができるようにとの努力の中に気に掛けるものが生まれ、また関わる職員を育てる心づもりも生まれるのでしょう。法人も組織の力を精一杯に発揮する、また職員の数の力を生かしてしっかり支える気概がおのずと出てくるはずです。
介護現場の離職率の高さは人間関係が大きな背景要因と言われます。何はともあれお互いの未熟さを承知したうえで大人のマナーをもって出会ってゆきたいとの思いです。