バードウォッチングNO87 「私にとってのエピソード」①

2023.4
日野青い鳥福祉会

 4月家族会は「私にとってのエピソード」と題して各職員が今の受け止め方をまとめることにした。21本のレポートが出てきた。いくつかを紹介することで青い鳥の支援土壌を紹介する。第1弾は「発見、向き合う」である。

田極 泰平 「新しい一面を発見!!」

 エピソードは職員の個性が活きます。

 エピソードは自分が利用者に感じたことを書いています。正しい事実を書くことが第一ではありません。人間関係が素材になるので、なにが正しいかはわからないから。

 エピソードは、その職員がその人との関係性の中で書いたものです。同じ出来事を見聞きしていても、書かれるエピソードは自分が感じたこととは違うものになります。ですからエピソードの読み合せを通じて、新しい発見を楽しみにしています。「あっ、この人はこんな面もあったのか!」と気づく瞬間、それがエピソードの醍醐味です。

 それは自分の感じ方では盲点になっていた部分を発見することでもあります。対人支援をするうえで、とても大事なことです。自分の思い込みを正すこと、それがエピソードを書く効果の一つです。

村瀬 一如 「向き合えているか」

 まずエピソードの魅力は無限に広がる点なのではと思う。

 エピソードを書く支援員100人いたら100通りのエピソードができる。利用者、支援員お互いの年齢・性別・経験・役割などそれぞれの要素で関係が変わり良くも悪くも人間模様に波及する。このリアル感が実感でき面白く、うなずきながら読んでしまう。「そうなんだ!」と新たな発見があり、エピソードは人間関係の反映だといえる。

 そんな日常をクローズアップすることで利用者のわかりづらい内面的な部分を知るヒントがあると感じる。そしてもっと知りたくなる。そんなエピソードを深堀することが利用者と私の関わりを見つめ直すことであり、双方の人生を豊かにするのだと思う。

 支援員5年目の私にとってエピソードを書くことは、自分自身が細やかに利用者と向き合えているのか、と確認する場になっている。ただ闇雲に利用者と過ごしてもエピソードは書けない。書いたとしてもつまらない、ただの行動記録になってしまう、と自戒している。(つまらない記録は読み返さないので次に活かされない)

 エピソードの引き出しが沢山あるとき、すらすらと書けるときは私自身が〈これは?〉と焦点を絞って利用者に関わっている時の様だ。手ごたえをもって読み返したくなるエピソードがたくさん書けるように・・・、令和5年度の目標である。