No.74 コロナ・クラスターに遭遇して

①オミクロン株・感染の波

 大変な事態になった。オミクロン株拡散の波をもろに受け、この間に3部署で4回陽性者が出て、3回は閉所とした。自宅待機・隔離がすぐできない方7名はGH待機としたが、結局クラスター(5名)になり、感染を防ぎきれなかった。

同日、他法人GH職員陽性になり、かつ利用者であおいとり日野(日中)利用の方も陽性が判明した。さらに時期を同じくして、職員2名の家族が陽性で、濃厚接触者として自宅待機となるなど、都内5桁に上る新規感染の社会の縮図の中であった。

②GH階別に隔離スペース、待機スペースに分離

感染リスクを防ぐため最少数GH職員2名・24時間シフト体制で第1クール10日間のフォローを申し出てくれる。この間、新たな感染者が出て第2クールに入り、シフト職員の入れ替えの際もGH職員は担当者として気持ちよく受け入れてくれた。多謝である。

帰れない方の隔離/待機拠点にGHを活用した、現実的にこの場所が確保できたことで安堵している。一方、この間に感染を広げたことは不手際として反省する。

③再開に向けて、しかし・・・

待機明けからあおいとり日野の日中支援、GH女性棟を再開し、遅れて隔離明けでGH男性棟も再開となった。再開に向けて業者による消毒作業を済ませられ、利用者ご家族の安心を取り付けられたことで安堵した。

それも束の間で、一週間ほどで次の飛び火を受けてしまい、再度ご迷惑をおかけする事態になった。

④保健所、医療機関の判断の課題

医療機関と行政の「新型コロナあんしん健康相談室」とで濃厚接触者の判断にずれがあったが、家庭のご協力の下に安全策を取らせていただいた。また、発熱外来でないとコロナ判断はできない由。往診医療も保健所の指示がないと動けない等、感染症法の制約は通院できない重度の方を想定していないようで国民皆保険の限界を痛感した。

⑤判断の混乱のなかで

感染症法に忠実な対処をすると医療崩壊が目に見えているため、厚労省通知で適宜対処してきた結果、判断基準に幅が生まれ、社会では方針の揺れと映っている。法人として安易にせず、動揺せずに社会的に許容される基準を模索してきた。

⑥改めて2点を確認し、周知した

1)利用日の前日、当日朝の健康状態を細かく見ていただき、ちょっとした調や変動もコロナとの関連を想定して大事を取って、ご利用をお控えいただきたい旨。

2)利用者、職員が濃厚接触者にならないように関わり方を慎重にする

・表情を診ることも、触診も、検温も…、利用者のマスク着用を確認し、横並びから観察する姿勢を徹底する旨。 これらを捉え直し閉所を避ける土壌としてまいります。

さて、少しずつ進行する成人病、歯の具合、なかなか抵抗が取れない診察導入-健康管理は生活支援の守備範囲でありながら専門性を持たない。折々に心配するだけで先送りになりがちなことでもある。自分たちの行き届かない点に改めて気づかされた経験として受け止めてゆきたい。